ストレートネックの原因

頚椎（首の骨）は、少し前にカーブしているのが正常なのですが、何らかの原因により、まっすぐになってしまう状態をストレートネックといいます。また、進行すると、逆に反る頚椎後弯変形（後方ネック）になる場合もあります。
詳しく言うとストレートネックとは…頚椎の生理的前湾角度３０度以下の首の状態をさします。（※首がまっすぐに歪んだ状態を示す言葉ですので、病名ではありません。正常な人の首の前湾角度は、３０～４０度です。）
慢性的な　頭痛・首の痛み・肩こりに悩む人の多くは、この角度が少なくなっていることが多いです。病院でレントゲンやMRIを撮ると「正常よりも首がまっすぐだ（原因）」という説明を受けることになります。

重い頭を細い首で支えるには、適度なカーブにより重心をとらえる必要があります。頚椎のカーブは、衝撃を吸収する役割もあり、とても大切なのです。そのカーブが失われてしまうと、頭を首の筋肉だけで支えることになり、慢性的な肩こり・首のハリが起こり、いろいろな症状が現れます。起こる原因としてストレートネックは、パソコン作業のようなデスクワークの人に多く発症しており、座っている時の姿勢が大きく影響していると考えられます。また、ゲームや勉強、スマートフォンを長時間続ける子供たちにもストレートネックが増えています。最近では、スマホネックとも呼ばれています。

ストレートネックは正常なカーブは失われ、頭は首の骨（頚椎）より前に来ていて、頭部や重心線が背骨より前に来てしまう為に、重い頭（約４～５ｋｇ）を首の筋肉で支えなければなりません。ですので、慢性的に首や肩がこり、それらの筋肉の緊張から頭痛などのトラブルを引き起こします。簡単にいうとストレートネックの方というのは、いわばサスペンション（衝撃を吸収）の効かない車に乗っているのと同じ状態です。常に頭の重さは周囲の椎間板や筋肉や神経に過剰なストレスを与え続けていますので、そういった期間が長期間続いてくると、結果的に筋肉だけでなく骨の方にまで影響が出てしまい、頚椎ヘルニアや慢性的に繰り返す寝違えや頚椎症の原因になってきてしまいます。

また、ストレートネックになる方として意外と多いのが過度の姿勢矯正をしている人です（バレエや社交ダンスなど）。姿勢を意識するあまり、いつも顎を引いている場合、首の自然なアーチが失われ、まっすぐになるだけでなく、首が逆カーブになってしまう場合も良く見かける現象の一つです。スポーツ障害として、バレエやダンスなどによる姿勢矯正、格闘技（ボクシング、レスリング、柔道、総合格闘技　など）による頭部や首への衝撃、顎を引き背中を丸くした姿勢、スキーやスノーボード転倒、その他としまして車の衝突事故などによる「むち打ち」などもあります。普通の方のほとんどのストレートネックは『猫背』に起因していることが多いです。背中が丸くなり、首が前に出た姿勢（首猫背とも言われます）になっています。自分では猫背でないと思っている方でも、専門家が見れば実は『隠れ猫背』であるわけです。そして、下半身では足首の歪みから骨盤に歪みが発生している場合がほとんどです。綺麗な骨盤の傾斜があって、綺麗な首の前湾が保てるのです。

【視線の位置で変わる首の傾き】

ストレートネックの施術方法

骨格矯正の施術の方では、ストレートネックの原因として足首の歪みが首が前に出ている要因がある為、下からのケアを大切にしています。そして骨盤、腰椎、胸椎、頸椎と順番に骨のケアをしていきます。骨盤・胸郭・頭でバランスをとっているので、ここをバランスよくすることがかなり綺麗な姿勢となります。またストレートネックの人は関節面が錆びたように動かなく固まってしまっているので骨格矯正ではそのサビをとって動かしやすくもしていきます。

筋膜矯正では、胸椎の動きを出していきます。基本的に頭の骨が前に出ている時に、胸のあたりは後ろに下がったような状態になる為、胸の動き、肩甲骨の動きが出ていません。また頭や首が前に出ているのを倒れないように支える為、７個ある首の骨の下の方や１２個ある胸の骨の上の方には常にストレスがかかっているのので、そこもストレスがかからないようにケアしていきます。また、首の関節運動（猫背改善体操動画参照）や鎖骨の運動などを取り入れていきます。関節を動かすと骨の動きがスムーズになり、動きが良くなると本来の位置に整っていきます。また動かしていれば筋肉も柔らかくなるので、余計な硬さが取れていきます。

ただ、ストレートネックは普段の姿勢が一番問題になることが多いので、骨と筋膜のどちらでも施術に合わせて普段の姿勢の改善を重点的に行っていきます！